『感じる子育て』って。。。
私は皆様に「感じる子育て」をおすすめしていますが、
「感じる」というのは「観察する」と言い換えても良いかもしれません。
「観察する」というのは「見る」というのとは違います。
まず、大切なのは五感を研ぎ澄まして、心を鋭敏にしている、
いつもそういう状態でこどもたちといるということです。
その状態でいると、こどもが発する氣配のごくごく微細な変化が分かるようになります。その変化を「観察する」、そして、こどもの「氣」の動きに反応して親も「氣」を働かせる。
これが「感じる子育て」です。
「感じる子育て」を続けていると、眠っていた自分自身の五感がどんどん呼び覚まされていきます。目に見えない世界の、あらゆる「氣」の動きに敏感になります。
地上の全ての生き物の氣を感じて生きることは、宇宙に存在する全ての粒子の動きを感じて生きることにつながっていきます。
また、氣配を感じ合う濃密な空間で研ぎ澄まされた繊細な感性が響き合う時、なんとも言えない至福の感覚を得ることもできます。
22年前に息子が誕生した時、その頃の私は
「どうしよう!こんなに小さな生き物の世話したことないっ!」って途方にくれていました。寝つきも寝起きも悪く、始終大泣きの息子を1日中抱っこしている毎日でした。
そんなある日、ドアのチャイムが鳴って、おそるおそるドアスコープから覗くと、小さなおばあちゃんが立っていました。
新生児訪問の助産師さんでした。背負ったリュックからバネばかりを取り出して赤ちゃんの体重を量ってくれて、不安でいっぱいだった私にこんな言葉をかけてくれました。
「ママちゃん、分からないことがあったら赤ちゃんに聞くんだよ。みんな教えてくれるから。」
その一言が私にはピカピカ輝いて見えました。
「そうだ、これだー!」
って感じて、以来この言葉だけを子育ての道を照らす灯として、
こどもたちと暮らしてきました。
子育てには沢山の考えがあって、離乳時期やベビーカーの使用年齢、褒めて育てようとか、褒めるのは危険だとか全く正反対の意見があります。どちらも、なるほどと思います。「どっちなの?」って悩みます。
こどもの時期はあっという間です。
正解を探しているうちに終わってしまうかもしれません。
それに、「みんな違ってみんないい」というわけですから、
きっと、どれもみんな正しくて間違ってはいないのです。
「感じる子育て」でおもいっきりアグレッシブにお子さんと関わっていただけたら、
きっとこどもたちとの暮らしはもっともっともっと面白くなりますよ。
「ママのことは大好きだけど、ママの子育ては風変わりだと思う。」
と息子に言われたことがありました。小学3年生の時でした。
でも、高校生になって自分自身で様々な情報を取れるようになると、
「風変わりな子育て」の理由や意味を後付けしてくれるようになりました。
たとえばその一つに「アンダーマイニング効果※」がありました。
「家はご褒美っていう習慣が無かったよね。頑張ったご褒美をもらうと、もともと楽しくてやってたことなのに、ご褒美がもらえるっていう目的にすりかわって、本来の行為に対するモチベーションはむしろ下がってしまうっていう心理学の実験があったんだって。確かに、僕にとってご褒美をもらわなかったことはすごく良かったと思う。母よ、ありがとう!」
※内発的に動機付けられた行為に対して、報酬を与えるなどの外的動機付けを行うことによってモチベーションが下がってしまう、という現象が起きる。これを「アンダーマイニング効果」というそうです。
私はむろんそんなことは知らなかったし、息子からお礼を言われるなんて思ってもみませんでしたから、本当に本当に本当に嬉しかったです。
理由や意味は後付けで大丈夫。
「一生懸命育ててくれたんだから、何だって良かったんだと思うよ。ありがとう。」
とも息子は言ってましたから。ありがとう。
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